翻訳コラム
2020.06.05
Google翻訳の精度と機能、機械翻訳の活用法
グローバル化によって、海外に進出する日本企業や日本へ進出する海外企業は増加しています。国境を超えるときに必要となるのが、会社案内や定款、またパンフレットやホームページなどの翻訳です。
昨今は、企業のみならずインバウンドも急増しており、多言語翻訳の需要は高まるばかりです。今では、無料で使える翻訳アプリやサイトが増えていますが、そのなかでもGoogle翻訳を利用する人は少なくないでしょう。ひと昔前までは「Google翻訳の精度が悪い」という不満の声も聞かれましたが、2016年後半からGoogle翻訳の精度が向上し、気軽に使える翻訳手段として定着しつつあります。
そこで、本記事では、Google翻訳の機能や機械翻訳そのものについて詳しく説明します。
Index
Google翻訳仕組の変化
Google翻訳とは、Googleが2006年に提供し始めた翻訳サービスです。ここでは、音声からテキストまで翻訳可能なGoogle翻訳について詳しく説明します。
2016年後半から飛躍的に精度が向上
インターネットの普及によって、世界はよりフラットとなり簡単に海外の人とコミュニケーションが取れるようになりました。しかしながら「言葉の壁」は依然として存在し、コミュニケーションの足かせとなっていました。そこで登場したのが、無料で気軽に使えるGoogle翻訳などの機械翻訳です。
Google翻訳は当初、決して優れた精度のものではありませんでした。文章を翻訳するというよりは、単語の翻訳に利用したり、文章の大まかな意味を把握したいといった補完的な利用が多かったのです。しかしながら、無料で利用できるとあって、Google翻訳を使う人は少なくありませんでした。
このころのGoogle翻訳は、「PBMT」と呼ばれる翻訳システムが採用されており、単語単位での翻訳であったため、かなり不自然な翻訳となっていました。ところが、2016年後半あたりに「ニューラルネットワーク」というAI翻訳システムが採用され、飛躍的に翻訳の精度が向上しました。
AI翻訳システム「ニューラルネットワーク」を採用
Google翻訳に採用されているAI翻訳システム「ニューラルネットワーク」とは、人間の脳機能に見られるいくつかの特性を模擬したモデルです。それまでの単語単位から文章単位の翻訳が可能となったことで、全体的な正確さが向上し、より自然な訳文に仕上がるようになりました。とはいうものの、音声入力のような話し言葉では、まだ違和感が残るという声もあります。
Webブラウザ版とアプリ版で利用可能
Google翻訳には、Webブラウザ版とアプリ版があります。インターネットが使える環境であれば、スマホやタブレット、PCと媒体を問わず利用することができます。特に、海外旅行の際には、スマホなどにGoogle翻訳のアプリ版をインストールして利用する人は多いようです。
Google翻訳の機能
それでは、Google翻訳に搭載されている機能について、さらに詳しく紹介します。
100以上の言語に対応可能
Google翻訳は、世界の100以上の言語の翻訳が可能です。英語やフランス語、中国語、韓国語とメジャーな言語から局地的な言語まで幅広く対応しています。
馴染みのない言語であれば、どのように発声するのかもわからないといったケースも考えられます。そのような場合に備えて、手書き入力も可能となっており、発声できない言語の翻訳にも利用できます。
Webブラウザ版の入力方法は3通り
Webブラウザ版を利用する場合の入力方法には、次の3通りがあります。
1つ目は、よく使われるテキスト入力です。Google翻訳のページ上で、翻訳したいテキストをコピペすればすぐに翻訳できます。2つ目は、音声入力です。こちらもGoogle翻訳のページ上で、発声した音をそのまま翻訳してテキスト化してくれます。3つ目は、WebページのURLを入力する方法です。サイト全体を翻訳してくれるため、海外のWebページを閲覧するときに役立ちます。
アプリ版ではカメラ利用で画像も翻訳可能
スマホの普及により、アプリ版の利用者は多いのではないでしょうか。アプリ版では、カメラ機能を使い、カメラでテキストを撮るだけで翻訳ができます。
海外を旅行するときに最初に戸惑うのは、レストランのメニューや公共交通機関の切符の購入方法がわからないことです。カメラ機能があれば、レストランのメニューや駅や空港の案内表示を瞬時に翻訳できるので大変便利です。さらに、マイクに向かって話した内容もリアルタイムで翻訳が可能なので、スマホが通訳代わりとなります。
アプリ版はオフラインでも利用可能
アプリ版の優れているところは、オフラインでも利用できるところです。海外では、電波の悪いエリアもあり、せっかくインストールしても使えない可能性があります。ところが、Google翻訳のアプリ版は、あらかじめ翻訳ファイルをダウンロードしておけばオフラインでも利用可能なのです。しかし、会話モードなどの一部の機能は利用できないので注意が必要でしょう。
Google翻訳のデメリットとは
これまでGoogle翻訳の優れた機能について説明してきましたが、ここではデメリットについても説明します。
改行が含まれていると文章が途切れる
テキストを翻訳する場合、元の文章に改行があると、文章が途切れて翻訳されるために意味のわからない翻訳になる可能性があります。こういう場合は、翻訳する前に、原本となるテキストの文章を自分で修正する必要があります。
細かいニュアンスは翻訳できない
Google翻訳の精度は向上しているものの、人の感情の微妙なニュアンスの違いを翻訳することは難しいでしょう。字面通りの翻訳ではなく、文章の前後から適切な言葉で翻訳することができるのは、今のところ人力翻訳のみといえます。
さらに、もともとの言語と翻訳したい言語の文法が違ったり、専門用語が多く使われている場合も、Google翻訳では正確な翻訳ができません。
ビジネスのうえでGoogle翻訳を利用する場合は、必ず人の目で2重にも3重にもチェックが必要です。中途半端な翻訳を利用すると、あやしい会社と見られ信頼性が低くなることに繋がりかねません。ビジネスの場合は、無料だからと安易にGoogle翻訳を利用することは避けたほうが無難でしょう。
日本と外国の文化や慣習の違いを理解できない
Google翻訳は、多くの言語に対応していますが、国による文化や慣習の違いを認識することはできません。ある言語を外国の言語に翻訳する場合、ローカライズ(地域化)を意識することは大切です。ローカライズを意識せずにそのまま直訳しても、文化や習慣が異なる国の人にとっては、意味のわからない文章になってしまう可能性があります。
例えば、アメリカのアニメを日本語に翻訳する場合、そのまま直訳されることはありません。英語での言葉遊びのようなジョークの表現をそのまま訳しても、日本人にとっては全く意味がわからない内容となってしまいます。Google翻訳にも限界があり、人力翻訳でなければ務まらない翻訳がまだまだ多いのが現実です。
文章の翻訳に強い機械翻訳とは
機械翻訳には、Google翻訳のように手軽に使えるものもあれば、翻訳会社が運用しているハイレベルな機械翻訳もあります。ここでは、翻訳会社FUKUDAIが利用している機械翻訳について説明します。
翻訳会社FUKUDAIは機械翻訳を採用
翻訳会社FUKUDAIは、基本的に人力翻訳をベースとしていますが、お客様が翻訳を急いでいる場合やコストダウンを望まれる場合は、機械翻訳(COTOHA Translator)を使用することもあります。
COTOHA Translatorとは、AI翻訳の1つで、最新の技術が使われているニューラル機械翻訳のことです。TOEIC960点を超えるレベルの翻訳が可能で、専門用語を登録することにより専門分野の翻訳にも利用できます。言語ペアも25言語に対応しており、英語や中国語などのメジャーな言語については、幅広い内容の翻訳が可能となっています。機械翻訳ならではの圧倒的なスピードで、安価で短納期な翻訳を実現します。
セキュリティ面でも大変優れており、登録されたすべての情報が暗号化されるので、ビジネス文書も安心して翻訳依頼できるでしょう。
ポストエディットで高品質な翻訳が実現
翻訳会社FUKUDAIで使用しているCOTOHA Translatorは、最新の機械翻訳ですが、万能というわけではありません。そのため、機械翻訳を行った後には、必ずプロの翻訳者による見直しをしています。この見直しの作業をポストエディットといいますが、翻訳会社FUKUDAIでは、このポストエディットにも力を入れており、機械翻訳を使用したときにも人力翻訳と変わらない高品質な翻訳を提供しています。
安価でスピーディー、正確な翻訳が可能
機械翻訳を使用することで、安価でスピーディーな翻訳が可能となります。翻訳者だけで行なう一般的な翻訳サービスと比較しても遜色なく、正確で自然な翻訳に仕上がります。多言語翻訳を検討している場合は、翻訳会社FUKUDAIがおすすめです。
AI機械翻訳でお困りの際はぜひ翻訳会社FUKUDAIへご相談ください
Google翻訳は、2016年後半「ニューラルネットワーク」というAI翻訳システムが採用されてから、飛躍的に精度が向上しました。ビジネスでの利用にはまだ不十分なところが残るものの、旅行などで利用するには満足できるレベルといえるでしょう。
翻訳会社FUKUDAIでは、COTOHA Translatorという機械翻訳を使用する場合があります。機械翻訳を使う場合でも、プロの翻訳者が見直しをするので、人力翻訳と変わらない高品質な翻訳となっています。お客様の品質要件に合わせて機械翻訳を使うことで、低価格・短納期を実現します。
多言語翻訳でお困りの際には、翻訳会社FUKUDAIに翻訳依頼してみてはいかがでしょうか。
関連記事
機械翻訳とは?人力翻訳との精度の比較やメリット&デメリット
自動翻訳と機械翻訳の違いとは?文章の翻訳には機械翻訳を活用する!