翻訳コラム
2020.07.03
インバウンド対策のキモは多言語翻訳!その背景や実践時の注意点を解説
日本のインバウンド市場は国を挙げて推進していることもあり、ここ数年間で飛躍的に伸びてきました。2020年前半の新型コロナウイルスによって、一旦市場は縮小せざるをえませんでしたが、長期的にはまだまだ拡大が見込める市場であることは間違いありません。
アジアの各国からはもちろん、大きな世界的イベントである東京オリンピックや大阪万博の開催を考えれば、ヨーロッパや北米、南米、オセアニアなどから訪れる観光客も含めて、国際色豊かな市場の活性化が予想されます。
それにともなって関連企業に求められてくるのがインバウンドの対策です。とくに多言語への対応はもっとも重要なものとなります。この記事ではインバウンド対策としての多言語対応に関して、翻訳という視点からその必要性の背景や実際の注意点などを紹介していきます。
Index
インバウンド対策としての多言語翻訳
インバウンドという言葉がここ数年で一気に浸透しましたが、その意味は外部から内部に入ってくるというアクションのことです。そこから主に観光関連にて、海外の国から日本を訪れる旅行や旅行者を表すようになりました。
3000万人~4000万人にのぼるインバウンドを迎えるためには、それを明確に意識した企業の戦略と対策が必要不可欠となっています。
言語や文化の違う外国人にとってわかりやすく使いやすいサービスを各企業が模索中です。
多言語翻訳が求められる背景
インバウンド市場に向けた重要な対策のひとつに多言語翻訳が挙げられます。なぜ「翻訳」がそれほど重要なことであるか、その背景に目を向けてみましょう。
最大の要素として、日本を訪れた外国人にとって、いわゆる言葉の壁が立ちはだかり、良好なコミュニケーションが取れなくて不具合が発生するという事態が、あちこちの観光地で頻繁に起こっていたのです。
例えば、日本を訪れたからには、伝統的な日本ならではの食文化を楽しみたい人が多いはずです。しかし観光地のグルメスポットにおいて、言語の壁によりその素晴らしさを伝えられないケースが多々あります。
言葉が通じないために外国人が入店や購入を断念することになり、お互いに残念な思いをしなければなりません。
こういった機会の損失はビジネス上でのマイナスだけで済みません。楽しみにして日本を訪れてくれた海外の方が、日本文化と出会う機会を失うことは避けたいものです。
多言語翻訳の対象とすべきもの
さて、インバウンドの対策としての多言語翻訳の大切さを確認しましたが、実際にどういうものを翻訳する必要があるかということに触れておきましょう。
Webサイト
訪日外国人にとって観光関連のWebサイトはメインの情報源です。名所・スポットをわかりやすくまとめたものや、公共の交通機関の利用の仕方や乗り継ぎの方法などは、重要度が高い情報です。
彼らの日本滞在中時に役に立つ情報をネットで発信するのなら、サイトの多言語仕様は必須項目なのです。
観光パンフレット
紙媒体としてのポケットサイズのパンフレットは、一般的に観光客にとって重宝する情報源です。これを翻訳してインバウンド対策としても用意することで、訪日外国人にとっては便利なアイテムとして利用されるでしょう。
施設内の案内版
さまざまな施設にある案内板の多言語化は、なにも外国人のためだけではありません。施設側にとっても大いに役に立つものです。
なぜなら、施設の利用法を多言語で説明しておくことにより、文化の違いが生みがちなトラブルをあらかじめ防ぐことができます。また、人的な外国語による案内力の不足をおぎなえるという利点もあります。
同時翻訳ソフト・アプリ等のツール
さまざまな観光関連のアプリも多言語化しておけば、多くの外国人に利用してもらえるチャンスが生まれます。
飲食物販等サービス業のメニュー・ポップ
食に関する文化は国によって実にさまざまです。現在、日本食は世界から注目されています。訪日客のなかには日本食を楽しみにしている人もたくさんいます。
また、宗教事情によっては口にできない食材もあります。食材や料理の説明を異なる文化の外国人にわかりやすく多言語化しておくことが求められます。
翻訳者が知っておきたい多言語翻訳の注意点
インバウンド対策としての多言語翻訳を実践する場合に、気をつけるべき点はどういうものでしょうか。ここでは多言語翻訳にあたっての代表的な注意点を紹介しておきます。
キーとなる言語から翻訳して多言語化
翻訳を行う時のプロセスとして、キーとなる言語から対象の言語に翻訳します。例えば、日本語をキー言語とするなら「日本語から英語」「日本語から中国語」「日本語から韓国語」というように翻訳するのが基本です。
ここで、「日本語から韓国語」「韓国語から中国語」というようにキー言語から遠ざかっていくプロセスで進むと、翻訳精度が下がってしまうリスクがあります。
国別の文化・習慣を考慮
翻訳する対象の言語を持つ国の文化や習慣などを考えて、彼らが読んで違和感のない翻訳を心がけましょう。これを「ローカライズ」と呼びます。各国や地域の文化風土に内容を最適化するようなイメージです。
翻訳機や機械翻訳サービスは参考程度に
翻訳は伝えたいニュアンスや意味合いがわかりやすく伝わらなければいけません。機械翻訳を使用すると効率は良くても、不自然な表現になってしまうことが多々あります。
結果的にレベルの低い説明文になりがちなので、機械翻訳の利用は避けたいものです。できるだけマンパワーによる翻訳(人力翻訳)を行うことが賢明です。
インバウンド対策の多言語翻訳は翻訳会社FUKUDAIへ!
インバウンド対策に必要不可欠な多言語翻訳を行う場合には、ここで紹介した基本情報を参考にして進めるようにしましょう。また、もし多言語翻訳を社内で完結させることが困難と感じられた場合は、翻訳サービスのアウトソーシングも選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
翻訳会社FUKUDAIは英語・中国語はもとより、韓国語・台湾語(中文繁体)・タイ語・ベトナム語・インドネシア語・欧州言語など、さまざまな言語へ日本語からの翻訳を扱っております。多言語翻訳に関するご相談は、ぜひFUKUDAIまでお気軽にお声かけください。
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