翻訳コラム
2020.11.20
翻訳校正とは?対訳校正とネイティブ校正について解説!
文章を元の言語から他の言語へ翻訳する際、必ずと言っていいほど必要な作業が翻訳校正です。
校正とは文章の誤った部分を確認し訂正する工程の事を指しますが、翻訳校正は校正に加え、翻訳後の文の意味が合っているかをチェックする作業の事を指します。
海外映画を見る際多くの人が字幕付きで視聴すると思いますが、実際のセリフを直訳した文と字幕が一致しないと感じた事のある人もいるのではないでしょうか。
それにはこの翻訳校正が関係しており、さらに翻訳校正には「対訳校正」と「ネイティブ校正」の2種類が存在しています。
一概に翻訳や校正と言っても、この2つのどちらの方法を用いるかで文章のテイストは全く異なった物になるため、非常に重要なのです。
本記事では、そんな対訳校正とネイティブ校正について解説していきます。
翻訳校正とは?
翻訳校正とは、翻訳された文章を元言語の文章と比べ、意味が合っているかどうかをチェックする作業のことです。
校正の作業は翻訳文のクオリティを大きく左右するため、非常に重要な工程とされています。
校正の作業内容は、
- 誤った翻訳がされていないか
- 単語に統一性はあるか
- 固有名詞は正しく訳されているか
などの、誤った部分を見つけ出すのが主な作業です。
校正を行う際に求められる能力として、翻訳力や語学力はもちろん、的確な訳し方ができるかなどの表現力や語彙力も必要になってきます。
そんな翻訳校正には、対訳校正とネイティブ校正の2つの翻訳タイプが存在しています。
次にこの2つについてそれぞれ解説していきましょう。
対訳校正とネイティブ校正とは?
翻訳は翻訳、校正は校正と思うかもしれませんが、翻訳校正がどちらの種類に沿って行われているかで、文章のニュアンスが大きく変わるのです。
対訳校正
別名クロスチェックとも呼ばれる対訳校正は、文章の読みやすさよりも翻訳文と元の文 章が合っているかをチェックする、正確さを重視した校正作業のことを指します。
翻訳文と元言語の文章の合致度に重点を置き、翻訳文を元の文章と照らし合わせながらとにかく正確に訳されているかをチェックする方法のため、高い精度が必要な契約書などに向いていると言えます。
ネイティブ校正
ネイティブチェックとも呼ばれるネイティブ校正は、翻訳文と元の文章との合致度よりも自然な意味合いで翻訳されているかをチェックし、表現の正しさを重視した校正作業のことを指します。
名前の通りネイティブ寄りの表現方法を用いるため、映画の翻訳やパンフレットの翻訳など、あまり堅くなりすぎずラフな表現をしたい時に適した方法と言えます。
対訳校正とネイティブ校正の違い
2つの大きな違いは正確さを重視するか、ラフさを重視するかですが、校正の仕方にも違いがあります。
対訳校正は元の文章と翻訳文章を照らし合わせながら校正するのに対し、ネイティブ校正は翻訳文のみを見て校正します。
例えば、中国語から日本語へ翻訳した文章を、対訳校正を用いて校正を行う場合は、元の文章である中国語と翻訳後の文章である日本語を照らし合わせながら、意味が正確に合致しているかをチェックします。
一方のネイティブ校正を用いて校正作業を行う場合、元の文章である中国語は見ずに、翻訳後の文章である日本語の文法や意味が合っているかをチェックするのです。
またネイティブ校正は、ネイティブから見て自然な表現に仕上げるため、翻訳校正後の文章の意味が元の文章が意味しているものと少し異なることもあります。例えば、敬語を話し言葉にするようなイメージです。
翻訳校正を依頼する際の注意点
対訳校正とネイティブ校正にはそれぞれの特徴がありますが、会社や個人に依頼する際に注意したいポイントがあります。
対訳校正を依頼する場合は、翻訳と校正はそれぞれ別の人にお願いするのがよいでしょう。
もしこの二つの作業を同じ人が行ってしまうと、翻訳で生まれたミスに気づくことができずそのままになってしまうことがあります。
翻訳者と校正者を別にすることで細かいミスまで無くすことができ、翻訳文の精度もさらに上がります。
また、ネイティブ校正を依頼する際に注意したいのが仕上げたいイメージを明確に伝える事です。「誰が呼んでも分かりやすい文章にしてほしい」「ネイティブ寄りの表現にしたい」など、目的とする対象やイメージによって校正の仕方も大きく異なるため、仕上がりのイメージはしっかりと伝えた方が良いでしょう。
翻訳文のクオリティをさらに上げたい場合は、ネイティブ校正を依頼した後に対訳校正を依頼すると、文章の質がさらに上がります。
まとめ
翻訳や校正といえど、さまざまな方法があり、もちろん作業する人によって翻訳文のクオリティは大きく左右されるのです。
ラフな表現を用いつつ正確な翻訳文にしたいという方は、翻訳→ネイティブ校正→対訳校正の手順を踏むと、翻訳文の質はかなり上がります。
ぜひ、目的や用途に合わせて対訳校正がネイティブ校正かを使い分けてみてください。
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