翻訳コラム
2021.02.10
翻訳物の著作権所有者は誰?翻訳依頼のトラブルを回避しよう
多くの企業が海外進出を遂げるなど日本が海外と密接な関係にある今、企業間の取引の際に契約書やマニュアルの翻訳が必要となり、翻訳会社に依頼する事もあるでしょう。しかし、契約書やマニュアルを翻訳した場合、元の原稿の著作権とは別に、翻訳した原稿の著作権は一体誰のものになるのでしょうか?
そこで本記事では、翻訳物についての著作権問題や翻訳依頼のトラブルを防ぐための注意点についてご紹介したいと思います。ぜひ最後までご覧ください。
翻訳物の著作権は誰のもの?二次的著作権について
自分で作成した物語や音楽の歌詞、論文などは著作物と呼ばれており、これらを生み出した作者が著作者と呼ばれます。著作物には言葉の使用未使用関係はなく、創造されたものであれば、作成された時点で著作権が発生します。
著作権所有者以外の無断利用を禁じるとして法律に守られており、もしこの著作物を利用する場合は基本的に所有者の許可や費用の支払いが必要です。
ですが、英語で書かれた書籍を日本語訳にした場合、英語の原文の著作権は書籍の著者ではありますが、日本語訳の著作権は一体誰のものになるのでしょうか?
実はこのような場合、日本語訳された翻訳物には二次的著作権というものが与えられます。二次的著作権は、とある著作物をもとにして翻訳や翻案して創作された著作物に対して与えられる権利であり、先ほどの例に当てはめると日本語訳をした人に与えられる権利になります。
しかしこの二次的著作権は日本語訳をした人だけのものではなく、原著作者もその翻訳や翻案して創作された著作物の著作権を保持しています。そのため、翻訳物の著作権は原著作者と翻訳をした人の両方が所持するものとなるため、訳文の利用やアレンジをする際には原著作者の許可も必要となります。
翻訳会社に依頼した際の著作権は?
先ほどは個人で翻訳をする場合についてご紹介しましたが、翻訳を受け持つ会社である翻訳会社に依頼をした場合はどうなるのでしょうか。結論を申し上げますと、一般的には個人間の翻訳と同じような仕組みになっています。
依頼をした原著作者が自分であれば著作権は自分にあり、二次的著作権は翻訳会社と原著作者にあるとされます。しかし、翻訳解釈によってはこの二次的著作権について宣言している場合も多く、会社によってこの二次的著作権を放棄する・放棄しないといった明言をしていることもあります。
そのため基本的には著作権は原著作者が所有し、二次的著作権は翻訳会社と原著作者が所有ということになりますが、会社によって二次的著作権を放棄する場合もあるため、必ずしも両者が著作権を持っているという状況になるとは言えません。
そのため、翻訳依頼をする前にあらかじめ、翻訳文の取り扱いについて確認をしておくと良いでしょう。
翻訳依頼による著作権トラブルを防ぐためには?
翻訳会社に翻訳依頼をしても、原著作者にも著作権が認められるとお伝えいたしましたが、必ずしも翻訳会社とトラブルが起きないというわけではありません。
翻訳物の使用や翻訳物のアレンジや修正を加えることなどを行う際にトラブルが発生するのではないかと思う依頼主もいらっしゃるでしょう。
思いがけないトラブルを防ぐためにも、翻訳会社との間で契約を締結する際に、どちらに著作権が帰属するのかを明確に記載しておくことでトラブルを防ぐことができます。
具体的には、書類にて「翻訳物の著作権は依頼者が所有するものである」といったような記載をし、翻訳会社の合意を得ましょう。また、依頼する翻訳会社を選ぶ際は翻訳物の著作権を放棄する事を掲げている会社を選ぶのも一つの方法になります。
もし著作権が翻訳会社にあるにも関わらず翻訳物を自由に使用してしまうと、最悪の場合使用料が発生してしまう可能性も考えられます。思わぬトラブルを事前に回避するためにも、会社選びや契約の際の確認などはしっかりと行うようにしましょう。
まとめ
ここまで、翻訳を依頼した際の著作権の所在や翻訳依頼におけるトラブルの回避例をご紹介してきました。他者の著作物を翻訳し個人で楽しむ分には何も問題ありませんが、著作者の許可を得ずにその翻訳原稿を自分発信で公開するとなると、法に反してしまいます。
また、翻訳会社に依頼をする際も、その会社が著作権についてどのような明記をしているのかしっかりと把握しておかなければなりません。
予想外のトラブルに巻き込まれないためにもぜひこの記事を参考に、翻訳会社への依頼を考えてみてはいかがでしょうか。翻訳会社FUKUDAIは、各翻訳分野において豊富な実績を誇る、依頼主様とトラブルが発生しないように細心の注意を払いながら、対応させていただいております。信頼のできる翻訳会社をお探しであれば、ぜひ翻訳会社FUKUDAIへお問い合わせください。
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