翻訳コラム
2024.02.14
貿易関係書類の翻訳について詳しく説明
日本は資源が少なく、生活の多くを貿易によって成り立たせています。貿易には多くの書類が必要となり、その書類には翻訳が欠かせません。
しかし、貿易に関する翻訳は英語力が求められるだけではなく、金融や相場に関する専門知識も求められます。しっかり理解をして貿易の翻訳を進めていかないと、企業に不利益をもたらしてしまう可能性もあります。
そこで、今回は貿易関係書類の翻訳について、詳しくご紹介いたします。
Index
翻訳しなければならない貿易関係の書類は?
翻訳が必要となる貿易関係の書類はどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、翻訳が必要となる貿易関係の書類についてご紹介いたします。
輸出入書類
主に「商業インボイス」が翻訳対象となります。商業インボイスは販売取引の詳細を記載した文書であり、商品の説明や数量・価格・支払い条件等が含まれます。
他にも輸出品が規格に合致していることを証明する「検品証明書」や商品を輸出するための許可を得るための文書である「輸出許可書」、特定の商品を輸入するための許可を得るための文書である「輸入許可書」があります。
契約書
契約書は取引において非常に重要な項目であり、誤訳やスペルミスがトラブルの原因となることがあります。契約書はできる限りプロである翻訳会社に依頼する等、細心の注意が必要となります。
また、契約書には、販売条件や支払い条件等、販売取引に関する契約書である「販売契約書」や特定の商品やサービスの供給条件を定めた契約書である「供給契約書」、代理店との取引条件を定めた契約書である「代理店契約書」等が主な契約書となります。
関税書類
「輸入品に課される税」である関税に関する書類も、翻訳対象です。関税書類は、輸入品に対する関税やその他の税金を申告する書類である「関税申告書」や、特定の条件下で関税が免除される書類である「関税免除書」等があります。
関税の免除は、課税価格が1万円以下の貨物の場合や消費税、酒税及びたばこ税等が対象となります。
国際規格
主に製品がISO規格に適合していることを証明する「ISO証明書」や、製品・サービスの品質管理に関する規格を定めた書類である「品質管理企画書」があります。
運送関連書類
貨物が船舶に積み込まれたことを証明する書類である「船荷証券」、輸送中の貨物が保険に加入していることを証明する書類である「貨物保険証書」が代表的な書類となります。
法的書類
法的書類は複数あり、商標や特許に関する「商標登録証明書」や特許が正式に認可されたことを証明する「特許証明書」、商標や著作権、特許、産業デザイン等、知的財産を保護するための「知的財産権(IPR)法」、市場の公正な競争を確保し、独占や不公正な競争を防ぐための法律である「独占禁止法/競争法」等があります。他にも輸出入管理法や環境法、労働法、契約法等も法的書類の一種に含まれます。
貿易関係の書類を翻訳する際のポイントは?
貿易関係の書類を翻訳する際には、いくつかのポイントがあります。このポイントを押さえておくことで、安心かつ確実な貿易関係書類の翻訳が可能となるでしょう。以下より詳しくご紹介いたします。
法的規制には適合しているか
貿易関係の書類は法的な規制に基づいて作成されることがほとんどです。翻訳者は、翻訳文が関連する国や地域の法的な要件に適しているかどうかを確認する必要があります。
例えば、特定の国では契約書の形式や条件、関税申告書の記入要領等が異なる場合があります。
専門用語は理解しているか
貿易業界には専門用語が豊富にあるため、翻訳者はこれらの用語に精通している必要があります。
国際貿易における「国際商取引条件(Incoterms・インコータムズ)」や、貨物輸送に関連する用語が多くあります。正確な専門用語を使用し、文書の理解と相互の通信の円滑さにとって必要となります。
地域や文化へ適合しているか
貿易は国境を越えて行われるため、文化や慣習の違いを考慮する必要があります。翻訳者は、目的言語圏の文化やビジネスの慣習に精通していることが重要となります。
特に契約書や交渉文書の翻訳では、文化的なニュアンスや表現の違いが必要不可欠となります。
文書の目的を確実に理解しているか
翻訳者は文書の目的を理解し、それに合った翻訳を提供する必要があります。例えば「商業契約書」等、ビジネス的に重要な契約書の場合は、法的な文書となるため正確性が重視されますが、貿易で商品をアピールするための「マーケティング資料」は、読み手の興味を引く表現が重要です。
貿易の翻訳には法律の知識も必要となる
貿易には、複数の登場人物が存在します。主な登場人物は
1.輸出者
2.輸入者
3.通関業者
4.税関職員
5.輸送業者
貿易は、書類の処理や代金の支払い貨物の運搬がほぼ同時進行で進んでいくため、スピーディーな対応が求められます。また、その内容は翻訳という面から見ても煩雑です。
言葉のニュアンスの違い等を正確に、かつその文脈や必要性に合わせて翻訳するのが翻訳者の役目であり、ただ言語を変換するだけでは翻訳としての意味をなしません。
その言語のネイティブの人が聞いて、すんなり理解できるように文章を組み替えること、文章の校正や校閲がある程度できないと、トラブルを誘引してしまう可能性があります。
また、貿易実務検定や通関士資格等も取得し、専門知識を伸ばしていくことも重要となります。
貿易の翻訳には、法律の知識や専門知識が必要であることを考慮すると、やはり翻訳会社の依頼はベターであり、安全な選択肢であるといえるでしょう。
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