翻訳コラム
2018.11.18
英語で契約書を作成や翻訳をするときのポイント
海外の企業を相手にビジネスを展開する場合には、例え相手が英語圏の企業でなかったとしても、英語で書かれた契約書を使用するのが一般的です。
ここで気をつけなくてはいけないのが、日本国内の企業を相手に交わす契約書と英語圏内や中国語圏内などの海外の企業と交わす契約書は本質的な部分で大きな違いがあるということ。日本国内で使われている契約書をそのまま翻訳しても、それが契約書として認められることはまずありません。
海外の企業と交わす英語の契約書を作成するということは、現地の商習慣や法律など専門的な知識が求められるため、素人にはかなりハードルの高い作業なのです。
そこで今回は、英語契約書の作成や翻訳をする際のコツについて詳しく解説していきます。
Index
英文契約書を作るときに必要になるもの
ビジネスで契約を交わす場合、例えば口頭で合意を得たもの(口約束)であったとしても、それは立派な契約として成立します。ですが、その内容を双方がそれぞれに違って解釈していたり、誤解が生じたりしていた場合、大きなトラブルに発展してしまうことも珍しくありません。
こうした契約に関するトラブルを避けるために欠かせないのが「契約書」です。日本では昔から相手との信頼によって口約束でも契約とみなされる傾向がありましたが、海外企業を相手にビジネスを展開する場合には、その取引の大きさにかかわらず、契約書は必ず用意しなければいけません。
では、実際に海外ビジネスにおける契約書の翻訳や作成する場合、どうしたら良いのでしょうか。ポイントは、最初から英語で作成するのではなく、まずは日本語で契約書を作成するということ。前述した用に、海外向け契約書は契約先の国の商慣習などに基づいた内容を意識することが大切で、日本国内で交わされる契約書をそのまま英語に翻訳したものでは意味がありません。英文契約書は原則として英米法に則って作成される必要があり、それは日本の法律とはさまざまな点で異なるということをきちんと理解しておく必要があるのです。
英文契約書を作るときに意識するべきポイント
では、実際に英文契約書を作成する場合、どのようなことに注意したら良いのでしょうか。意識すべき具体的なポイントについて詳しく見ていきましょう。
契約先で適用される法律に違反しないか
英文契約書は原則として英米法に則って作成しなくてはいけません。さらには、契約を結ぶ企業側の国の法律に違反していないことも大前提です。例えばアメリカの場合、「反トラスト法」と呼ばれる独占禁止法によって、自由競争を阻害する独占や取引制限などを禁止する法律が存在するため、契約書の条項が相手企業の取引を制限しているように解釈されてしまわないような注意が必要でしょう。
会社名、所在地、氏名、日付の英語表記に注意する
会社名、所在地、氏名、日付を英語で書く場合の表記ミスが起こりがちです。表記ミスがないように、複数回の確認やダブルチェックを行うなど、気を付けるようにしましょう。
契約内容が明確にされているか
一般的に英文契約書というのは日本の契約書と比べて長く複雑になると言われています。その理由としては、英語の契約書は両者の意図をできるだけ具体的に明確にかつ、詳細に示すことが原則とされているからです。
例えば、日本の契約書では当事者は「甲乙」と、簡易的に記載されますが、英文契約書は当事者の定義についても詳しく明記しなくてはいけません。
契約書に相応しい文体になっているかどうか
英文契約書の作成が難しいとされる一番の理由が、契約書に使われる独特の言い回しや単語があるという点です。日本語で作成した契約書をそのまま英文に翻訳しただけでは、相手側がサインすることを拒んでしまうケースも少なくありません。
英文の主語と述語を明確にする、助動詞の使い方に注意する、フランクすぎる翻訳になっていないかなど……出来上がった英文契約書を具体的にチェックすることが大切です。
英文契約書を作るのに必要になる知識
前述のとおり、英文契約書の作成は日本語の契約書を単純に翻訳すれば良いというわけではなく、法律についての知識、英米法に則った契約に関する知識、契約書に使われる専門的な英語力などが求められます。
特に、英米法では万が一裁判になった場合、契約書に書かれていない内容は証拠として認められないとされているため、リスクに備えてできるだけ具体的に、明確に契約書の内容をまとめなくてはいけません。
特に、技術に関するライセンス契約などの場合には、機密保持契約(NDA)も絡んできますので、より専門的で高度な翻訳技術が必要となります。これらのことを踏まえ、英文契約書を作成する場合には、専門家に依頼しその契約書が相手国の法律に反していないか自社の法務にリーガルチェックをしてもらうのが理想的でしょう。
英語契約書作成に悩んでいるお客様はぜひ翻訳会社FUKUDAIにご相談ください
これまで説明したように英語の契約書は、英語スキルだけでなく海外の商習慣など専門的な知識や経験が必要です。実際に英文契約書を作成する際には、上記のポイントをきちんと理解しておきましょう。
また、英語の契約書に関するさまざまなトラブルのリスクを下げるためには、自分で契約書の作成や翻訳をするのではなく、翻訳会社などプロの翻訳者に力を借りるのもおすすめです。英語契約書に関するお悩みは、ぜひ翻訳会社FUKUDAIまでお気軽にお問い合わせください。
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