翻訳コラム
2023.10.26
ライセンス契約書の翻訳とは?翻訳ポイントと失敗しない翻訳会社の選び方
現代では様々な「契約」があり、多くのものが「契約書」によって定義されながら社会が円滑に回っていく手助けをしています。
身の回りに多くある契約ですが「あまり深いところまでは知らない」という契約も多いでしょう。その1つが「ライセンス契約」です。このライセンス契約も、近年のグローバル化により、海外や国内においての必要性が増してきています。
では、どのように翻訳すれば確実で安心なライセンス契約書となるのでしょうか。今回は翻訳のポイントから、失敗しない翻訳業者の選び方まで幅広くご紹介いたします。
Index
ライセンス契約書とは?
ライセンス契約書とは、知的財産の権利者が第三者に対して知的財産権の使用を認める契約書のことを指します。知的財産は、特許や実用新案、商標(特定の商品について、他の商品と区別するために使用する文字や記号、図形等のこと)、著作物(動画・画像・文章等)、意匠(デザイン)、営業機密、技術・設計のノウハウ等、非常に多岐に渡ります。
ライセンス契約書を作成した場合、知的財産権者は第三者に使用を許諾することになります。利用者が知的財産を使う代わりに対価を受け取ることができるのも特徴です。
ライセンス契約を翻訳する際のポイントは?
ライセンス契約を翻訳する際には、いくつかのポイントを抑えておかないと、誤訳や翻訳ミス等の要因になります。ここで、ライセンス契約書を翻訳する際のポイントについてご紹介いたします。
英文契約書の特徴を抑える
英文契約書の特徴として、1つの契約における条項の数が多く、網羅的であることがあげられます。
これは英米法で適用されている「口頭証拠排除法」等の適用により、契約書に書いていない実施事項は認められないという点に大きな理由があります。
そのため、契約のリスクを詳細に検討し、それに対する実施事項や対処法を全て明確に記載しておくことが非常に重要になります。
また、国際取引は基本的に「性悪説」に基づいて行われている点にも注意が必要です。
契約書の書面においては、曖昧な部分を一切排除し、文書として契約書の中に明確に記さなければなりません。
和文契約書の特徴も抑える
英文契約書とは対照的に、日本語で書かれた契約書は多くの場合短く、柔軟に対応できる余地が残されています。性悪説に基づく国際取引とは反対に「相互信頼」を前提に成立していることが多いため「別途協議事項」や「円満協議事項」が設けられています。
そのため、仮に契約に問題が起きても、調停や仲裁を選ぶ傾向があります。
このように、英文契約書と和文契約書は、それぞれの基礎とする法体系や商慣習が異なるため、契約書における前提条件も異なっています。
したがって、日本語(英語)契約書を英語(日本語)に翻訳しただけでは不十分であり、上記の違いを踏まえた上で、国際取引において通用する契約を行う必要があるといえます。
契約の特殊性を認識する
ライセンス契約書は一般の翻訳文書とは、その性質が大きく異なります。契約書は、当事者同士の権利や義務関係を明確にした。法的拘束力を持つものです。
英文で作られたライセンス契約書の場合には、書かれている英語だけではなく、英米法や国際法の考え方を理解し、翻訳文に落とし込む必要があります。
日本語で書かれたライセンス契約書を翻訳する場合は、正確に翻訳するだけでは不十分です。
日本の法体系や商習慣に従って作られているライセンス契約書では、そのまま翻訳しても国際標準の文書にはなりません。
正確性を保ちつつも、国際基準に合わせた翻訳が必要になります。
専門性の必要性を認識する
誤訳や解釈ミス等を防ぐためには、英米法や国際取引の知識が不可欠です。英米法に限らず、ウィーン条約や国際商工会義所が制定した貿易取引条件であるインコタームズ、EUのTRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)等、様々な国際条約や協定に関心を持つ必要があります。
国際条例の中には頻繁に改正されるものもあるため、常に細心の情報を取り入れ、学ぼうとする姿勢があるか否かも重要な要素となります。
ライセンス契約書を翻訳する際の翻訳会社の選び方は?
ライセンス契約書はご紹介したとおり、専門性の高い契約書です。できれば、翻訳のプロともいえる翻訳会社に依頼するのが最も安心といえるでしょう。しかし、どんな翻訳会社でもいいという訳ではありません。そこで、ライセンス契約書を翻訳する際の翻訳会社の選び方についてご紹介いたします。
専門性があり、経験が豊富か
翻訳会社がライセンス契約の翻訳を請け負っているか、または法的文書やビジネス文書の翻訳経験が豊富かどうかを確認しておきましょう。経験豊富な翻訳者や法律関連の専門家が在籍する翻訳会社を選ぶことが重要になります。
品質保証と検証プロセスは万全か
翻訳会社が品質管理のためにどのようなプロセスを持っているかあらかじめチェックしておくと、品質の安定につながります。品質保証のための構成やレビュー、専門的な検証手段の有無等が品質保証に関与する重要な材料となります。
コミュニケーション・対応能力はあるか
コミュニケーション能力やクライアントへの対応能力が高い翻訳会社を選ぶことで、プロジェクトの円滑な進行とコミュニケーションの円滑化が期待できます。
価格と納期は安定しているか
翻訳会社の提供する価格と納期が、予算やプロジェクトのスケジュールと適合しているかどうかの確認も必要です。適切なコストと納期が重要となります。
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翻訳会社FUKUDAIでは、ライセンス契約書を含む海外ビジネス支援翻訳サービスを行っています。各専門分野に精通した専門性の高い翻訳経験者が在籍し、高品質かつライセンス契約書に適した翻訳を行います。
もちろん、品質面以外でも、納期や予算、用語管理に関するご相談等、お客様のご要望を的確に捉えた上で、最適なご提案をさせていただいております。
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