翻訳コラム
2019.10.31
翻訳の品質を向上させるポイントを理解して、良い翻訳会社を選ぼう
多くの翻訳会社があり、どこの翻訳会社を選べば良いのかわからないと感じている人もいるでしょう。そもそも「いい翻訳」とはどのような基準で測られるのか、その基準も曖昧です。
ここでは、翻訳の品質を測る基準や品質を向上させるポイントを詳しく紹介します。翻訳会社がどのようなポイントに重点を置いているのか分かれば、翻訳会社を選ぶときの目安になるでしょう。より良い翻訳会社を選ぶために、この記事を参考にしてください。
Index
翻訳の品質を決める基準が重要
受注者と発注者の双方が翻訳の品質を決める基準を合わせるために、日本翻訳連盟(JTF)が翻訳品質評価ガイドラインを提示しています。
JTF翻訳品質評価ガイドラインとは
JTF翻訳品質評価ガイドラインとは、翻訳の品質をより客観的な基準で評価するために提示された指針のことです。
翻訳の品質を評価する方法は大きく分けて、次の3つに分類されます。
・専門家による主観評価
・最終読者による主観評価
・評価メトリクスを用いた客観評価
翻訳の品質を測るときに、専門家や読者による主観での評価だと曖昧さが残るため、避けるべきという意見もあります。しかしながら、読者が「読みにくい」といった主観的な判断をした際、どこが読みにくいのかを評価メトリクスのエラー項目に加えることで、評価基準の質そのものが上がります。
ちなみに評価メトリクスとは、測定基準のことです。エラー項目とは、下記の「正確さ」や「流暢さ」などのそれぞれの項目を指しています。もし該当する項目がなければ新しく項目を追加します。
JTF翻訳品質評価モデルは、客観評価が可能となるエラーベースの評価メトリクスを利用しています。概要レベルのエラーは次のとおりです。
・正確さ(原文の情報が過不足なく盛り込まれているか)
・流暢さ(テキストが形式として整っているか)
・用語(産業翻訳などの用語の正確さ)
・スタイル(表記のスタイル)
・地域慣習(日付表記や時刻表記が考慮されているか)
・デザイン(テキストの見た目)
・事実性(現実世界との齟齬がないか)
原文の内容によってどのレベルに重きを置くのかが変わりますが、翻訳の品質を確認する際の評価基準となるでしょう。
また、ビジネスの場面では「納期」「コスト」「原文の質」の3つの判断基準も大事です。どれほど良い翻訳であっても納期に間に合わず、利用できないのであれば意味がありません。
翻訳の品質を向上させるためのポイントとは
それでは、翻訳会社はどのようなポイントに重点を置いて翻訳をしているのでしょうか。制作側の翻訳ポイントを知ることで、翻訳会社を選ぶときの参考となります。
能力のあるコーディネーターを選ぶ
翻訳自体は翻訳者の仕事ですが、翻訳の質を左右するのはコーディネーターといえます。コーディネーターは、翻訳者の選定から機械翻訳の活用、スタイルシートや用語集の作成の要否、スケジューリングなどの枠組みを決めていきます。豊富な経験のあるコーディネーターがいる翻訳会社であれば、翻訳の品質に問題ないでしょう。
評価の良い翻訳者を選ぶ
翻訳者にはそれぞれ得意分野があり、すべての分野に精通しているわけではありません。得意分野だけでなく、たとえば固い正式文書を得意とする翻訳者もいれば、読み物系の文体に強い翻訳者もいます。クライアントがどのような翻訳を求めているのか、誰が読み手なのか、その翻訳の使用目的は何なのかを確認しつつ、最適な翻訳者をアサインすることは非常に重要です。
スケジューリングをきちんと行う
大きなプロジェクトであれば関わる人数も多く、それぞれがきちんと作業日程を把握しておく必要があります。1つのプロセスが滞ると後のプロセスのすべてが中断する恐れがあるので、最適なスケジューリングを組むことが大切です。
翻訳会社の品質管理が重要
どれほど優秀な翻訳者であっても、見間違いや勘違いによる誤訳はあるものです。翻訳者が複数いれば、翻訳にもばらつきが出てきます。また、原文が大量であれば簡単にやり直しはできません。このような問題が生じるのを防ぐために、翻訳会社は品質管理を徹底します。
翻訳会社FUKUDAIでは品質を確保するために、翻訳作業や翻訳チェック、最終仕上げとそれぞれの工程を経験豊富なプロフェッショナルが責任を持って作業を行っています。また初めてのお客様でも安心して依頼してもらえるように、専任のコーディネーターが担当して納期や料金などあらゆる相談を受け付けています。
翻訳を依頼する場合は、品質管理をどのようにしているか、担当者に遠慮せずに聞いてみることをおすすめします。
実は翻訳以外の品質も重要
クライアントの満足度は翻訳そのものにもよりますが、実は翻訳以外の要素も影響します。翻訳は人に読んでもらうことが前提であり、その「見た目」は重要です。
フォント設定など翻訳の後工程である「DTPサービス」と呼ばれるレイアウト調整は、重要な要素を占めます。レイアウト調整は有料の場合があるので、翻訳会社がどこまでレイアウト調整をしてくれるのか確認しましょう。
スタッフ間のコミュニケーションが重要
どれほど翻訳者やコーディネーターの能力が高くても、作業に携わるスタッフ同士のコミュニケーションがきちんと取れていなければ良い翻訳に仕上がりません。営業担当者がクライアントの意向を制作サイドにしっかりと伝えることや、作業しているスタッフ同士が連絡を密に取り合うことが、品質の良い翻訳へとつながります。
担当者との打ち合わせのときや会社を訪れた際には、スタッフ同士の様子を観察することで、コミュニケーションが取れているのかどうかをある程度推察できるでしょう。
スタッフ全員が共通認識を共有する
上述したようにスタッフ間の意思疎通がきちんとされていると、共通認識をもって作業ができます。営業担当者がどれほどクライアントの意向を正確にくみ取っても、ほかのスタッフがその認識を共有していなければ意味がありません。
翻訳会社に問い合わせたときに、スタッフ間のコミュニケーションがスムーズに取れており、同じ認識でいることが伺えれば安心でしょう。
最新のIT技術を活用した翻訳とは
ここでは、最新のIT技術を活用した機械翻訳や翻訳支援ソフトとはどのようなものなのかを説明します。
機械翻訳とは
機械翻訳はまだ用途は少ないものの、人間が手直しをする前提で利用することがあります。とくに急いでいる場合や、訳抜けや転記ミスを防止する場合に役立ちます。
しかしながら、依然として表現力などの点において人間の翻訳には及ばないので、併用することでより品質の高い翻訳となるでしょう。
翻訳支援ソフトとは
翻訳支援ソフトとは、一度人間が翻訳した良質の翻訳をデータベース化し、次に翻訳をする際に再利用する仕組みです。翻訳の仕事以外に「データベースを作る」という追加の作業が加わることで、余分なコストと労力、時間がかかります。翻訳ソフトを使用する場合は、翻訳の内容によって活用すべきといえます。
翻訳品質の高い翻訳会社を見極めるポイント
高品質な翻訳を制作するために最も大事なことは、スタッフ同士の良好なコミュニケーションといえます。実際に電話で問い合わせてみたり会社を訪問したりすると、担当者の人柄からその社内の様子を推察できるでしょう。結局は、人対人のコミュニケーションによるところが大きいため、その翻訳会社のスタッフの人柄が良ければ仕事もスムーズに進み、より品質の高い翻訳が仕上がります。
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