翻訳コラム
2022.07.27
字幕翻訳とは?コツやメリットを翻訳プロが徹底解説!
インターネットの普及やモバイル通信環境の充実が後押しになり、現代は「誰でも簡単に動画コンテンツを視聴できる」環境が整っています。また、海外の動画を視聴する機会も増え、使用されている言語の翻訳や多言語翻訳を行う機会も増えてきています。
動画の画面内に字幕をつけることにより、多くのメリットが得られるのですが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は動画を字幕翻訳するメリットや字幕翻訳時に気をつけたいポイントについて詳しくご紹介いたします。
Index
字幕翻訳とは?
動画の字幕翻訳とは、元となる動画で流れている外国語の音声を映像に残したまま、多言語に翻訳した文章を映像上に表示させる方法を指します。
近年は映像作品の多言語化や企業のグローバル化に伴い、字幕翻訳は映画の他にもテレビで放映されているドラマやドキュメンタリー番組、プロモーション動画、研修用動画といった幅広い分野の映像に使用されています。
字幕翻訳は、映像の視聴者がその字幕を読んですぐに理解できるように翻訳するのが鉄則であり、映像が切り替わるまでに内容が理解できるよう、わかりやすく簡潔な言葉に置き換えて翻訳していくことが重要となります。
また、字幕翻訳をするうえで覚えておきたい基本的なルールがあるのでご紹介します。
・時間や文字数に制限がある
・一画面当たりの字幕の秒数や業に制限がある
・原文の補足が必要なケースがある
・ニュアンスを変えることがある
上記の基本的な字幕翻訳のルールを意識することで、視聴者の内容理解を深める手助けができるでしょう。
字幕翻訳のコツ3選
上記で字幕翻訳のルールをご紹介しましたが、視聴者を充分に満足させるためにはルールを意識するだけでは足りないでしょう。そこで、こちらではクオリティの高い字幕コンテンツを作るためのコツを3つご紹介します。
簡潔な表現を心がける
字幕翻訳をする際は、簡潔な表現を心がけましょう。例えば女性が話している場面では、語尾に「…よ」「…ね」などを付けがちですが、多用してしまうと視聴者は違和感を覚えてしまいます。そのため、性別やキャラクターなどに応じて語尾を変えることなく、シンプルに「です・ます」にする方が伝わりやすいでしょう。
音声すべてを字幕にする必要はない
映像内で聞こえてくる音声すべてを、字幕にする必要はありません。例えば、「あのさ~」「えーと」など、短い言葉は、シーンや話の要点によって字幕に起こすか起こさないか決めましょう。また、映像で明らかに補完できている場合は、わざわざ字幕に起こさなくても問題ありません。例えば、「2列目の赤い服を着ている君、質問をどうぞ」というセリフがあったとします。この場合、映像で二列目に赤い服を着た人が映っている場合は、視聴者も一目瞭然であるため、「質問をどうぞ」と簡潔に表現することが出来ます。
ローカライズを意識する
映像字幕の翻訳を行う際には、文化や習慣、法律、宗教、価値観といった違いを理解し、翻訳の対象国にローカライズした字幕作成が必要となります。
特に映像字幕の場合には、文化や習慣の異なる国の人から見ると、意味や内容がわからないシーンが出てくることが多いため、元々の世界観と趣旨を重視しながら、対象国に合わせて細かな変更や修正を行う必要があります。
字幕翻訳と共に、ローカライズは高品質な映像には欠かせません。
字幕翻訳のメリットは?
多くの動画では、字幕翻訳による文字情報が一緒に表示されるようになっています。動画に字幕を付けることにより、多くのメリットが生まれ、視聴者や検索エンジンにおいて「有意義なコンテンツ」として評価されるのです。
では、どのようなメリットがあるのでしょうか、字幕翻訳のメリットについて、詳しくご紹介いたします。
聴覚障害があるユーザーや高齢者のアクセスが向上する
昨今はインターネットの発達により、誰でも動画を視聴できる環境が確立され、ユーザーも多様化しています。そのため、動画は聴覚障害があるユーザーや高齢者でも楽しめるコンテンツと内容であることが求められています。字幕翻訳が付属していることにより、これらのユーザーも安心して動画を楽しめ、アクセス向上にもつながっています。
SEO効果を向上させ、動画へのアクセスコントロールが可能になる
動画をGoogleなどの検索エンジンの上位に表示させる最新技術として、AIによるディープラーニングを用いた画像認識技術や音声認識技術があり注目されていますが、現時点ではまだテキストに優位性があります。
検索エンジンのアルゴリズムを理解した上でタイトルや説明を記載する、適切なタグを付ける方法は多く知られていますが、翻訳された「字幕」自体もテキスト情報として認識され、SEOの効果を押し上げます。字幕をテキストとして認識させることにより、検索エンジンが動画コンテンツの内容を理解しやすくなり、自動的に評価も上がります。
さらに、アクセス性の向上や動画の視聴時間が延びることにより相乗効果が生まれ、結果的に良質な動画として検索結果上位に表示される可能性が高まります。
ミュート再生に対応できる
動画コンテンツの多くは、スマートフォンなどのモバイル端末で再生されています。環境によっては音が出せない場所で動画を視聴しなければならない時も出てくることが想定できます。
そのような場面でも、翻訳で字幕を乗せることにより、音を出さないまま動画の内容が理解できるようになります。
今後は上記でご紹介したようなシーンが増えていくことが予想されています。動画に字幕を付けることは必須事項であり、マーケティング効果に大きな影響を与えると考えられています。
国境を越えた動画コンテンツの配信が可能になる
日本企業が作成した動画コンテンツに翻訳した字幕を付けることにより、世界中に向けて動画の配信が可能になります。グローバル化や海外市場の展開を考えている際にも効果的です。
また、Webサービスの普及により、海外に向けての通販事業(EC)など、国境を越えたビジネスを企画する企業も増えており「マーケティングの国際化」が進んでいます。
ターゲットとなる国の言語字幕を付けることにより、日本だけにとどまらず、世界市場でのマーケティングが可能となります。
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ビデオ翻訳やWeb配信映像用、研修用ビデオ字幕翻訳まで、様々な映像翻訳を手がけております。
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監修者
翻訳会社FUKUDAI 代表取締役
鈴木 宏基